「地域の匠」表彰式
ものづくり・匠の技の祭典2016において、区市町村から推薦された地域で御活躍されている優秀な技能者の方々を「地域の匠」として認定することにより、中小企業等における技能者の確保及び育成を図るとともに、広く社会一般に技能尊重の気風を浸透させ、もって技能者の社会的地位及び技能水準の向上を図ることを目的に実施する。
表彰者
(市町村コード順に掲載)
氏名 | ふりがな | 年齢 | 職種 | 就業先 | 推薦 区市町村 |
技能功績の概要 | 田島 靖敎 | たじま やすのり | 42 | 建築塗装工 | 株式会社バーンリペア | 新宿区 | 豊富な専門知識や高い技術力を活かし、歴史ある部材や文化財などの修復を行うなど、傷などの再発防止を視野に入れたリペア方法の提案力と高い技術を有する優れた技術者である。また、有害物質の含有率を1%未満に抑えた人体に優しく環境にも配慮した補修材料の開発に成功し、建築業界で大きく評価されている。後継技術者への指導・育成に取り組み、教材開発を手掛けるなど、リペア技術の継承にも積極的であり業界に貢献している。 |
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上川 宗伯 (上川 善嗣) ※1 |
かみかわ そうはく (かみかわ よしつぐ) |
43 | 貴金属細工加工工 | 有限会社日伸貴金属 | 台東区 | 江戸末期に名匠として名を上げた、打ち物師の平田禅之丞を祖とする平田派の流れを汲む、日伸貴金属の二代目上川宗照に師事し、金銀器職人の伝統技術・技法を受け継ぎ、様々な銀器を製作している。特に茶器や仏具等の製造技能に優れている。また、体験教室等を通じて後進の育成指導も行っている。 |
薩摩 令子 | さつま れいこ | 52 | 和服修理職 | 小袖工房 | 江東区 | 和裁全般に渡る技能に優れ、仕立直しはもとより着物のリメイクも得意としている。なかでも、洋裁技術を活かした衿型の工夫により、和装洋装両用で着用できるコートは顧客から高い評価を得ている。和服仕立ての傍ら、着付けの指導にも取り組み、和服の魅力発信・普及に努めている。また、東京都技能検定委員や和裁指導補佐委員なども務め、後進の育成指導にも尽力している。 |
大川 良夫 | おおかわ よしお | 75 | 曲物製造工 | 有限会社 大川セイロ店 |
中野区 | 和、中華セイロ・フルイを始めとする曲物製造に関する技能に優れ、接着剤や機械止めではなく、山桜の皮で止める古くからの製造方法をいまだに貫いている。また、裏ごし器において、国内で絶えかけていた馬毛網の製作の継承に尽力するとともに、立派に後進技能者の指導・育成に貢献した。 |
なかの 雅章 ※2 |
なかの まさあき | 45 | ガラス熱加工工 | 株式会社 海津屋 | 北区 | 古来より伝わるとんぼ玉の技術を現代に伝えるだけでなく、継承者がほとんどおらず、世界的に失われつつある技法を独自に研究し、高い技術で制作を行っている。また自らの工房で教室を開くほか、市民講師等で、後進の指導に尽力している。 |
渡部 昭彦 | わなたべ あきひこ | 62 | 日本料理調理人 | 寿司処 江戸翔 |
荒川区 | 40年以上にわたり、代表的な日本食の一つである寿司の職人として、伝統的な寿司の握りだけでなく、「飾り寿司」に代表する創作寿司の調理に卓越した技術を有している。また、全国すし商生活衛生同業組合のカタログ作成にも協力するなど、寿司業界の発展に貢献している。さらに、弟子への指導など後進技能者育成にも積極的である。 |
篠原 由香利 | しのはら ゆかり | 35 | 絵付仕上工 | 有限会社 篠原風鈴本舗 | 江戸川区 | 大正4年創業の篠原風鈴本舗の4代目として、江戸時代に始まるガラス風鈴の伝統を守り続けている若き女性職人。豊かな感性と発想力で創意工夫を凝らし、幅広い世代に愛される風鈴を製作しているほか、美大生等とのコラボレーションによる新商品開発にも意欲的に取り組んでいる。 |
相澤 良治 | あいざわ よしはる | 72 | 旋盤工 | 株式会社 内野製作所 | 八王子市 | 特殊合金の難削材の高精度切削加工技能に優れ、F-1エンジンの歯車などの製作を担当した他、独自の治具、刃物や測定治具を考案・自作し、複雑形状品の高精度切削加工を可能とすると共に、1μm以下の仕上がりを測定保証し、自動車業界の研究開発に大きく貢献している。また、55年の旋盤工一筋の技能・経験を生かし、現在も現役で活躍しながら後進の指導・育成に貢献している。 |
小笠原 寿美 (美濃 嘉子) ※3 |
おがさわら すみ (みの よしこ) |
83 | 衣装着付師 | 小笠原流きもの着付学院 | 立川市 | 日本の伝統文化である和服の着付講師として、日々技術の研鑚、知識の習得に努め、古来日本人が継承してきた技術に基づき、手作り補正道具を使用した創作結びを約200種考案した。また、生徒育成、後進指導者育成を通した日本伝統文化の継承に心血を注ぎ、これまで指導した教え子は約3,000名、現在指導者として活動する者約50名である。このほか海外で開催される着物ショー等による技術伝承に貢献した。 |
※1及び3は雅号(戸籍名)、※2は雅号を表記しています。